ちくわブログ

のらりくらりのちくわさんです。

自主避難は自己責任という話について。

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NHKのニュースリンクが切れていたため、孫引きリンク)

自主避難者は約2万6000人
福島県によりますと、避難指示区域以外から県外などに避難しているいわゆる「自主避難者」は去年10月の時点でおよそ2万6000人と見られています。

自主避難の人たちはこれまで国や自治体の支援で避難先のアパートなどに無償で住むことができましたが、福島県は先月末で、この支援を打ち切りました。このため、自主避難の人たちは福島県に戻るか、避難先に定住するかの決断を迫られています。福島県も、現在、最大で3万円の家賃補助や公営住宅への優先的な入居などの新たな支援を行っていますが、無償入居の支援の継続を行政に求める動きもあるということです。

  ジャーナリストのフリをして復興相を激怒させた左翼活動家の話はさておき、ここで云われている自主避難者とは、事故当時から現在に至るまでそこに住んでいる人がいるにも関わらず、政府発表や科学的根拠を一切信用せず、自らの意思で安全な避難指示区域外から飛び出した人たちなんですね。

 関連記事のブクマやその他を眺めていると、どうも「危険な土地から逃げ出した被害者に対し、一方的に支援を打ち切るばかりか、それを自己責任呼ばわりするとは酷い話だ」みたいな捉え方をしている方が多くてげんなりしたんですが、実際は元の暮らしていた土地に帰ろうと思えば何時でも帰れるし、実際事故当時からそこにずっと住み続けて特に健康不安も被害も何も受けてない人たちがいるにも関わらず、東電や政府に対して『我々が帰宅できないのはお前たちのせいだから、汚染がゼロになるまで支援を継続しろ』と主張している人たちが騒いでるって話なんですよ。

 もちろん、現在帰還困難区域や居住制限区域に指定されている土地に住んでいた人たちは、帰りたくても帰れないし、定住するための条件に一部厳しい制限があるワケですから、そうした方々が政府や東電が指示する前に自主的に避難したとしても、それを咎める由はないでしょう。

 しかし、今現在も普通に住んでる人たちがいて科学的にも安全だと保障されてる以上、そこに帰らない・帰りたくないというのは個人のエゴイズムでしかありません。ただ、科学的に安全だと保障されていた原発で事故が起きたワケですから、「政府や東電の指示になんて従えるか」という反発も当然あって然るモノではあります。しかしてそうであるならば、そんな信用できない政府や東電がどれだけ「安全です」「もう危険はありません」と云ったところで、そうした人たちが信用するでしょうか? 再三繰り返しますが、今現在において安全とされた地域へ戻らない・戻りたくないとするならば、取るべき選択は「別の定住地を探す」以外にはないでしょうに。

自主避難者たちは、何故戻らないのか。

「戻らないんじゃない。戻りたいけど戻れない。何故ならそこは安全じゃないからだ」

 彼らの大半はこんな論調でその理由を述べます。ですが先にも論じた通り、彼らが戻る先は帰還困難区域でもなければ居住制限区域でもありません。今現在、そこに普通に住んでいる方が大勢いる安全な町や村です。

「危険がゼロになるまで帰らない」というなら、もう帰れる余地はないでしょう。しかしてそこに住んでいる人たちが実際にいる限り、彼らの主張はただの被害妄想であり、科学的統計による安全宣言よりも論拠に乏しい自己判断を優先するなら、それはまさしく自己責任以外の何者でもありません。

 多くの日本人は福島の原発事故で、我々を取り巻く世の中が放射線で溢れてる事実を知りました。その脅威をゼロに近づけるための努力は可能ですが、それがゼロになる事は決してない事実も学びました。でも学べなかった、あるいは学ぼうともせず、未だに目を背け続け、福島県の被災地域に住んでいる人たちを揶揄し続ける人たちがいます。彼らは震災直後、こんな事を云ってました。

原発事故が起きた危険な福島県に住むなんて信じられない。お前らが政府や東電を信じて避難しないのは勝手だが、死んでも自己責任だぞ」

 彼らはそうして居住地を後にし、そこに残る選択を決めた人たちに後ろ足で砂をかけました。

 そんな事をすれば、戻るに戻れないのも当然でしょう。

 自主避難者たちは何故戻らないのか。彼らは「戻る先が未だに危険で安心できないからだ」と主張しますが、そこにはずっと住んでる人たちがいます。政府の指示に従い一時退去した事もありますが、それは事故当時の話であり、もう何年も前の話です。

 東日本大震災の発生から、6年も経ちました。

 原発周辺、特に福島県の避難者ばかりがクローズアップされますが、実際には原発事故の影響だけでなく、震災や津波の被害を受けて避難した方たちも大勢います。彼らはもう何年も前に避難地から戻ったり、あるいは避難先に別の定住地を求めて、すでに生活しています。

 東日本大震災の発生から、もう6年も経っているのです。

 6年間、何も学ぼうとしなかった・学べなかった人たちは、自分たちが選択した行動の責任を自ら取ろうとはせず、まるで避難を強制されたかのように嘯きますが、一方で「戻っても大丈夫ですよ」という声には耳を貸しません。

 東日本大震災の発生から、すでに6年が経過して尚、彼らは彼らの被害妄想を全面的に肯定する人たち以外は誰も信用しません。それだけに、その結果として選んだ自らの選択の責任を他者になすりつける事に必死なのです。彼らが棄てた土地に戻る事が出来ないのは、決してその土地が危険だからでもなければ、政府が対策を怠ったワケでもありません。政府の安全宣言を信用せず、「汚染がゼロになるまで帰れない」と科学的に有り得ない条件を突きつけ、それまでの間信用できない政府に保障を求めるという矛盾に満ちた言動を矛盾とも感じていないからです。

 百歩譲って、政府や東電への不審感から元の居住地に帰還する事が心情的に無理だから、新しい定住地での保障を求めると云うのであればまだしも筋は通りますし、そもそもそうした被災者への支援はすでに6年前から何度となく行われ、2011年時点で30万人いた避難者のうち、2017年現在は13万人弱まで減少しました。未だ戻れない避難者の大半は、帰還困難区域や居住制限区域の住民ばかりです。

 政府は自主避難者にも避難者と同じだけの支援をしていました。6年もです。そしてもう元の住居に戻れるというのに戻ろうとせず、帰還困難区域や居住制限区域の住民と同じ手厚い保護を求め続けています。その理由は何度も論じている通り、「汚染がゼロではない土地に帰りたくないから」です。

 しかし、その願いが叶う事はこの先一万年費やしても不可能です。

原発事故子ども・被災者支援法では、原発を推進してきた国に、自主避難者も含め被災者救済の責任がある、とはっきり書かれています」?

news.yahoo.co.jp

激昂する今村復興相の姿は、各局のニュース番組でも報じられたが、冷静さを欠いて怒鳴り散らしたことだけではなく、むしろ、その発言内容の方が問題だろう。環境NGOFoE Japan」の満田夏花氏はこう批判する。

「今村復興相は、自主避難を続ける人々について自己責任だと切り捨てましたが、原発事故子ども・被災者支援法では、原発を推進してきた国に、自主避難者も含め被災者救済の責任がある、とはっきり書かれています。被災者支援のキーとなる法律に反する発言をしたという点で、今村復興相は厳しく追及されるべきだと思います」。

ここで挙げられている「原発事故子ども・被災者支援法」とは通称で、正式な名称は「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」です。

  では、その条文のうち、「被災者」を定義づけた第一条を参照してみましょう。

第一条 この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「東京電力原子力事故」という。)により放出された放射性物質が広く拡散していること、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等のため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者及び政府による避難に係る指示により避難を余儀なくされている者並びにこれらの者に準ずる者(以下「被災者」という。)が、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられており、その支援の必要性が生じていること及び当該支援に関し特に子どもへの配慮が求められていることに鑑み、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策(以下「被災者生活支援等施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、被災者の生活を守り支えるための被災者生活支援等施策を推進し、もって被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする。

 はい、どう読んでも「被災者」の中に「自主避難者」は含まれていませんね。それどころか「政府による避難に係る指示により」とありますから、オレが最前から説明した通り、ここで云う「避難者」とは、あくまでも政府指示によって避難を余儀なくされた人たちの事であり、自己判断で自主的に避難した人たちでないのは、常識的な読解力があれば理解可能なハズです。

「一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者」に関しても同様で、これはそもそも避難指示区域外の人には適用されませんし、避難指示区域の人に関しても安全宣言が出て「戻れますよ」となって以降、前段と後段をつなぐ接続詞が「または」でなく「及び」となっている事から、安全宣言を無視して帰宅を拒んだ避難者は「政府の指示による避難に係る指示」を無視したワケですから、その時点で避難者ではなく自主避難者となるワケです。

 また冒頭の復興相激おこ会見の議事録を参照すれば判る通り、件の自称フリージャーナリストの左翼活動家は福島県だけではありません。栃木からも群馬からも避難されています。」「千葉からも避難されています。」と質問してますが、福島県からの避難者へはこの法律によってしっかり保護されていて、それ以外の「特段の危険性がなく、またその予見がないにも係らず、政府の指示や要請とは無関係に避難した人たち」というのは、ぶっちゃけ「勝手に怖がって勝手に引越しした人たち」以外の何者でもないんですよ。

自主避難者が避難者と同様に支援を求めるのは、例えるなら「私の子供が通っている学校でいじめが起きた。私の子供がいじめられたわけではないが、学校の対応も自治体の対応も信用できないから、自主的に私の子供を他府県の学校へ転校させる。当然子供たちだけでは生活できないので家族全員転居するが、問題が解決したら元の学校に戻るつもりだ。だから、それまでにかかる費用は全て国が責任を持つべきだ。それが国の義務だろう。それともお前らは私の子供がいじめられた時にどう責任を取ってくれるのだ?」と云ってるようなものなんですよ。そんなアホな話、普通は通用しないでしょ。何かに不安を感じるのは仕方ない。その不安に耐えかねて自主的に批判するのも仕方ない。この例えの場合、学校や自治体や国が「不安なら転校してください、費用はこちらで持ちます」とでも云ったのならともかく、判断したのも行動したのも自分自身が決めた選択ならば、その責任が自分自身に係るのは当たり前の話じゃないですか。

 それでも、政府はそうした自主避難者にも支援を続けていたワケです。しかし、さすがに6年も経てば「お前ら、もうそろそろどっちか決めろや」って話にするしかないですよね。前述したように、自主避難者の多くが主張している「汚染がゼロになるまで戻れない」なんて条件は一生の間どころか一万年経っても達成は不可能ですから、現実的な落としどころとしては「政府を信用して帰宅する」か「政府を信用せずに他の土地に定住ないし外国に移住する」以外には有り得ないのですよ。

 元々、現在帰還困難区域や居住制限区域に指定されている避難指示地域下で生活されていた方々はともかく、それ以外の避難地域外からの自主避難者なんて、本来は政府が支援する必要もない存在です。そんな余計な金があるなら、本来の避難者に使うべきでしょう。

 そして、今村復興相の発言はあくまでもそうした自主避難者は自己責任だと論じているだけで、帰還困難区域や居住制限区域に指定されている避難指示地域下で生活されていた方々の保護を打ち切るものではありません。それを証明するように、議事録では福島県の帰還困難区域について「福島復興再生特別措置法改正」を進める決意を冒頭から語っています。

「事故は政府と東電の責任だから、死ぬまで面倒見ろや」と主張するのは自由ですが、もう6年も経ってるのに政府の指示で帰宅するのか他所で定住するのかも未だに選べないというならば、政府判断としては「どうぞご勝手に」としか返しようがないでしょうに。

 この記事を書いたフリージャーナリストさんが何をどう誤読したのかは知りませんが、第一条以下の条文における「被災者」の定義は全てこれに収まるものですから、その後の条文で「被災者」という文字列が出てきても、そこに「自主避難者」が含まれないのは云うまでもない事です。

(いや、第2条2項を持ち出してドヤ顔決められそうだなあと思ったので、念のためのトドメ)

謝罪しても騒動が収まらない。何故なら騒動にし続けないと困る人たちがいるから。

 今村復興相はさっさと謝罪してしまいましたが、これは仕方ないでしょうね。

 揚げ足取りが大好きな人たちが大勢いますから、下手に云い訳も拘泥もせず謝罪してしまうのは、この手の騒動に対する対応としては大正解。

 

 一方で、これを政治利用したい人たち、あるいはそういう人たちから支援を受けてる自主避難者はまだまだ矛を収めるつもりはないご様子。

自主避難者に「自己責任」とは何事/復興相辞任を/復興庁前 (しんぶん赤旗)

 結局、この人たちが求めているのは政争であり、自主避難者はそのための「道具」に過ぎないんでしょうね。「道具」にその自覚があるかどうかは別として。

 弱者を気取る側が必ずしも被害者とは限らないし、被害者を自称する側に全くの瑕疵が存在しないとも限らないのですが、弱者や被害者を盾にする事で、然も自分たちの言質言動が正論正道であるかのように欺瞞する人たちは世の中に絶えないのもまた一つの事実なんですよね。しかし、世の中を0と1でしか切り分けられない人たちほど声の大きな世の中ですから、まだまだこの騒動は治まらないかもしれません。