ちくわブログ

のらりくらりのちくわさんです。

日韓の親善・親交を阻む、真に害悪な言論

 2017年を迎えて早くも半月、ネット上は慰安婦少女像問題で侃々諤々してますが、中でも悪目立ちしているのは、もはや絶滅危惧種と相違ない日本の左翼系の人たちによる「慰安婦問題は人権問題だから」というクソみたいな筋の悪い擁護。

 慰安婦問題が人権問題なんつーのは一部の右翼系バカ以外は充分理解している事だけど、日本も韓国も「戦争犯罪及び人道に反する罪に対する時効不適用に関する条約」を批准してない以上、過去に起きた人権侵害の問題を現代に持ち越す事自体がそもそもナンセンスで、それを理解していればこそ、この問題を解決するための糸口は(多くの民事裁判がそうであるように)金による解決方法しか存在しない。

(無論、元慰安婦の中には金による解決を望まず、日本の天皇国家元首が直接頭を下げるまで許さないと論じている人もいるが、それは韓国国内で解決すべき問題であり、これを日本が譲歩してその感情的な望みを”個別に”叶える必要は全くないため、ここではさておく)

 しかも日本は日韓基本条約と日韓合意で二重に支払っている以上、そこに人権だとか感情論を持ち込んでギャースカほざくのは、条約も合意も全く理解してないバカでしかない。その手前のバカさ加減を誤魔化すために人権を持ち出すのは、自分をバカだと認めたくない事実を誤魔化す、あるいは何らかのイデオロギッシュな理由によって誤魔化さざるを得ない悪足掻きそのものだ。

 

 幸い、韓国も今回の問題に関してはきちんと自国側の問題だと理解したようで、日本総領事館前に設置された少女像に関して、韓国外交部長官が「望ましくない」と発表した。

韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は13日、国会外交統一委員会に出席し、釜山の日本総領事館前に旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像が設置されたことについて、「国際社会では外交公館前に施設物や造形物を設置することは国際関係の側面から望ましくないというのが一般的な立場」との認識を示した。

japanese.yonhapnews.co.kr

 これは当然・常識・当たり前の事で、そも謝罪が足りないと感情論ばかりぶつけてきた韓国が、ようやく「最終的かつ不可逆な合意」としての日韓合意を持ち出した事を評価すべきであるのに、それを覆そうとしているのは誰なのか、慰安婦問題は人権問題だから」という下手な擁護をしている連中こそ理解すべきだ。

 もちろん、反日思想を前提としている韓国右派や、同じく嫌韓思想を前提としている日本右派のそれは否定・批判されるべきだが、そうでなくとも慰安婦問題に関する日韓合意は外交の問題であり、人権の問題ではない。

 それは日韓合意における10億円の拠出に関して、日本側が提示した金額ではなく、韓国側が求めたという事実からも明らかだ。

10億円の拠出を韓国が要求したのか、日本が提案したのかを問う質問については、「交渉では、拠出金が必要というのがわれわれの立場だった。金が出てこそ(日本)政府が責任を認め、謝罪したことになる」として、「私が要求した」と答弁した。

 韓国自身が過去の因縁を金で解決すると決めたにも関わらず、何時までも感情論を剥き出しにする韓国の右派層や、そういう連中を人権問題というお題目で擁護し続けるクソみたいな日本の左派層こそが、日韓の親善・親交を阻む害悪そのものだといい加減気付くべきである。

 それでも尚、日本人は過去の戦争で非道な人権侵害を起こした犯罪者の子孫であると論じたいなら、鳩山元総理のように個人で韓国国内の元慰安婦に対して好きなだけ土下座行脚をすればいい。

(ここでは、元総理が土下座行脚する問題はさておくとして)

 結局、この慰安婦問題を解決するための日韓合意について否定的な日本の左派層っつーのは、現代に生きる我々日本人を犯罪者の子孫のように扱い、それを糾弾・批判する自分たちだけは例外と思っているんだろうね。その空々しさに気付く人が増えたのは何よりだが、それでも尚、その自己矛盾に気付く事なく、今日に至っても尚ナチスドイツの蛮行と日本のそれを結びつけ、やれ謝罪が足りない、やれ対応が悪いと批判するだけで、自分自身は何一つ行動しないくせに、自分の振り上げた拳の下ろしどころを見失ったイデオロギストによる日本バッシングは、凝りもせずネット上で繰り返され続けるから実に困ったもんだ。

尹長官は同委員会への新年業務報告で、「慰安婦合意が破棄されれば、韓日の両国関係や対外信用など、国益に深刻な影響が出る。合意の精神を尊重しながら着実に履行する」との姿勢を表明した。

 とまれ、日本の駐韓大使の帰国を外交上の一大事と受け止める人が韓国外交の場にいたのは、日本にとって大変な僥倖であり評価すべき点。

 駐韓大使の一時帰国という警告レベルのアジテーションが有効に機能した事実は本当に素晴らしい。ここで韓国外交が夜郎自大大衆迎合主義に走ってしまえば、それこそ取り返しのつかない事態を招く原因にもなりかねなかっただけに。

 例えばこの問題がこじれた挙句、在韓邦人や在日韓国人の身の安全に関わる問題に発展すれば、最早慰安婦問題の日韓合意など吹き飛ぶレベルの外交問題に発展する懸念も当然あったワケで、それを早い段階で回避出来た事実をこそ評価すべき。

 願わくば今回の問題が円満解決する事で、その後の両国政権で覆らないよう、かつ日韓の親善・親交に関わる歴史上のターニングポイントとして後の世に語り継がれるよう、切に望む。