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コミック版「マブラヴ オルタネイティヴ」最終17巻発売。10年の連載がここに完結。

マブラヴ オルタネイティヴ(17) (電撃コミックス) | 蒔島 梓, アージュ |本 | 通販 | Amazon

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 作画を担当された蒔島梓先生はデビュー間もなく、このコミカライズを連載デビュー作品として連載される事早10年、「マブラヴオルタネイティヴ」という壮大な物語を見事最後まで描き切って下さいました。一ファンとして心から感謝すると共に、10年間お疲れ様でした。

蒔島オルタ

 このコミック版オルタの凄いところは、連載中に発表された派生作品の要素を次々に盛り込み、原作を更にブラッシュアップさせた事なんですよね。実際問題、原作付きコミカライズ作品という事もあって、その辺りのコントロールをしていたのが原作側なのか作画側なのか、読者の視点からは判別つかなかったんですが、最終巻後書きの吉宗パパのコメントにより、蒔島先生が盛り込んだ事が判明。いやホント、ただた頭が下がるばかり。

 原作ゲーム自体、選択肢が殆どないというか何をどう選択しても本編への影響性がなく、最初から結末が決まっているインタラクティブ性を廃止したゲーム(物語)です。しかし、ゲームには色も動きも音もあるワケですから、それをただなぞるだけでは当然、色も動きも音もない漫画は原作に到底及ばない。しかし蒔島オルタはそれを補うため、原作ゲームには欠けていた細やかな描写や派生作品の設定や描写を取り入れる事で、すでに結末を知っている読者に対しても新鮮な驚きを与えてくださったのが見事の一言。

 今改めて1巻から読み直してみると、原作と比較してかなりの巻き進行でダイジェスティブに展開するストーリーなのに、それを感じさせずにグイグイ進める辺りのテクニックは、デビュー間もない作家さんとは思えない力強さを感じさせて面白いですね。

 原作ゲームをやっていてこのコミック版を読んでない人がいるなら多分驚くと思うんですが、単行本2巻の段階ですでにXM3(のプロトタイプ)の開発までストーリーが終わってます。凄くないですか?

オルタ世界のこれから

 タケルが元の世界に帰還した後のマブラヴ無印世界については「オルタード・フェイブル」で詳しく描かれ、また「マブラヴ・アンリミテッド」のその後に関しては「ザ・デイアフター」で同じく詳しく描かれましたが、オルタ世界のその後については、アージュ10周年記念PVで朝鮮半島に巣くう鉄原ハイヴ=甲21号攻略のための「錬鉄作戦」に挑む茜たちの姿と、会誌やイベントなどで吉宗パパが語った僅かな情報しかなかったワケですが、今回コミック版の描き下ろしとしてあ号標的破壊後から48年後の世界が描かれた事で、また一つオルタ世界の深みが増しました。

 オルタ世界の行き着く先が「化石の歌」というのは、アージュの古参ファンなら誰でも知ってる事ですが、まさか「どう足掻いても絶望」と云う言葉しか出なかったオルタ世界の陰惨な未来からおさらば出来る可能性があるとは想像もしませんでした。

 壮大なオルタ世界の歴史の中で絶対不可避の、滅びの日を決定づけられた地球の荒廃を回避するためのこのストーリーを吉宗パパが最初から考えていたのだとしたらマジ脱帽の一言。

 出来ればこのオルタアフターも何らかの展開を見せて欲しいところですが、最近はTDA続編もリリース予定から削除され、TEシュバ犬SFに傾倒しているので難しそうですねえ。

 個人的にTEとシュバ犬は興味ない(前者は話の本筋が世界観とは無関係な登場人物同士の恋愛だし、後者は残念ながら作者さんと感性が合わない:アニメは面白かったけど)ですし、SFは事前登録ガチャが渋い上、ブラウザゲーではなくクライアントDL式だったためにサービス開始直後にオサラバしたので、個人的にはTDAの続きを待っているんですが、後何年待てばその望みは叶うんですかね?_(:3」∠)_