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アイヌ警察kotnei氏の話

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「城プロ」は旧バージョンはそれなりに遊んでたけど、「城プロ:RE」はデータ引継ぎに関してクソみたいなトラブル(城娘の基本所有枠が旧バージョンより少ない上、サービス再開当初に所持枠の有料拡張が実装されていなかっため、期限までに旧バージョンから引き継いだ城娘の大半を廃棄しなければならない状態だった)を抱えたまま、大勢のユーザーの批判をガン無視しやがったのですっぱり辞めたが、そもそもフィクション創作に出てくる作品に必要以上のリアルな歴史や背景を求めたところで何の意味もないのは、創作を楽しんでる大半の人が理解できると思う。

 

 こういう話は以前にもあって、例えばこれ。

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 これは映画「君の名は。」劇中に出現する「彗星」の軌道についてのミスに対する指摘で、詳しくはまとめ本文を読めば理解出来ると思うので、ここでは詳しい経緯は割愛する。

 話を戻すが、この指摘が通用するのは「君の名は。」劇中があくまでも現実に即した世界として描かれているからであり、これが荒唐無稽な世界観の作品であれば、先ず前提すべきは「この作品世界における常識や物理法則は、我々の知るそれと同じであるかどうか」なんだよね。

 もちろん、「君の名は。」は時間も場所も越えた男女が入れ替わるという物語で、それは我々の知る物理的法則や常識を超越した事象だが、もちろん劇中でもこの入れ替わり現象に関しては超常現象として描かれている。そうした超常現象=異常な事象として描かれているという事は、「君の名は。」世界が我々の知る常識と物理法則で成立しているからと判断しても問題ないだろう。山本弘氏の指摘は、あくまでもそれ故の話だ。

 また同氏の指摘はあくまでも「ミスの指摘」に留まっており、またこの「ミス」が修正されても劇中のストーリーに影響を及ぼさず、かつ物理的に正しい軌道を描く彗星が作中にある事実も指摘されており、指摘されたミスが意図的である可能性が限りなく低い事も明らかになっている。

 

 翻って、kotnei氏の批判はどうだろうか。

 

 

 オレ自身、先にも書いた通り「城プロ:RE」はすでに遊んでないので、このユクエピラチャシというキャラが「城プロ」作中でアイヌ語を使う(喋る)かどうかは判らない。しかし少なくとも、「アイヌ語でお話しするかわいい子」という謳い文句から、それを文字で日本語圏の人に通じるように表現した媒体を見て「(文字列に対して)アイヌ語として明白に間違いです」などとは指摘しない。ゲーム作中では本格的なアイヌ語を喋るのかもしれないし、声優さんの勘違いかもしれないし、そも作中で云われるアイヌ語が我々の知るそれとは限らないからだ。

 

 よしんば「もし,カタカナで書かれている「クゥ」とか「エー」がアイヌ語であるとするならば明白に間違いです。」という指摘が正しいものだとしても、「また,衣装や装飾品もアイヌ文化に対して大きな誤解を与えるおそれがあります。しかるべき専門家に相談されたのでしょうか。」というのは指摘でも何でもなく、彼個人の主観に基づいた余計な一言、いわばクソレスでしかない。

 もちろん、彼がアイヌアイヌ協会に信頼されたアイヌ研究家であり、その上でどうしても見逃せないミスがあるというのであれば、その指摘自体が正しいならば批判する由は全くない。しかしてkotnei氏はアイヌでもアイヌ研究家でもなく、単に自分の気に入らないアイヌモチーフのキャラクター、作品などにクレームをつけているだけの一個人に過ぎない。

 

 繰り返すが、「お城プロジェクト:RE」という作品は主に日本を中心とした城郭・城砦などが女性に擬人化し、戦う作品だ。現実の「お城」の歴史をモチーフにしているが、作品そのものは完全なファンタジーであり、作品世界の舞台は日本ですらない。

「ユクエピラチャシ」はアイヌの遺跡をモチーフとしたキャラ=城娘ではあるが、アイヌ(人)ではない。「アイヌ語でお話しする」とあるが、別に「ネイティブなアイヌ語を使う」とも書かれてない。そもそも作品世界が我々の知る現実とは異なるのだから、そこに描かれた全ては架空であると考えるのが常識的判断だろう。

 その上で繰り返すが、「クゥやエーが人称名詞でない」という指摘が正しいならば、その批判は正しい。一方でアイヌでも何でもないkotnei氏が「衣装や装飾品もアイヌ文化に対して大きな誤解を与えるおそれがある」などと批判する必要は全くないし、「しかるべき専門家に相談されたのでしょうか」と心配する必要はもっとない。

 もし明らかな間違いの指摘とは別にそのような疑問や恐れを感じたのであれば、先ずはkotnei氏自身が「北海道アイヌ協会」に問い合わせ、これが問題になりうるかどうかを確認すべきだった。

 その上で「北海道アイヌ協会」が問題と判断したならば、協会自身が率先して動くだろう。kotnei氏がアイヌアイヌの代表の意向を全く無視したまま、アイヌの代表面をして「フィクションとして描かれたアイヌ関連の表現」に物申す理由は全くない。これはミスの指摘でも何でもなく、彼個人が抱いたアイヌ像とフィクションのそれが合致しないというだけの話でしかない。

 必要な手順をすっ飛ばし、当事者ですらない人間が代表面をして訳知り顔で物申す事こそがアイヌ警察と揶揄される最大の原因。

 

 例えばの話。初対面で「帰国子女の金剛デース」と片言の日本語で自己紹介する艦娘・金剛をして「帰国子女に対する誤解を与えかねない」と危惧する人は、恐らく現実と創作の区別がつかない非常にピュアな人なのだろう。

 あるいは本人が帰国子女で普段から片言で喋っているという偏見を受けている被害者ならば、そのような批判が出るのは致し方ない。

 だがそうでなければ、それはマイノリティを擁護する自分に酔いしれ、他者の権利と自分の権利を混同しているしばき隊のような連中でしかない。

 

 以下追記。何か既視感ある問題だよなーと思ったら、これだったわ。なるほどな。

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